ジブリ版ゲド戦記がダメな理由

ゲド戦記 全6冊セット (ソフトカバー版)

ゲド戦記 全6冊セット (ソフトカバー版)

もうゲド戦記が公開されてから1ヶ月たったし、見たい人はもう見ただろうからもういいかな。
この夏どころじゃない、ここ数年で最悪な映画とオレは考えている。
ただ、実際の映画自体は見れないレベルではないし、☆5で満点なら☆2くらいではないかと思われる。
音楽はいいし、ゲドの声(菅原文太)も渋くてはまっている。
もちろんお金がかかっているだけに絵や動画も丁寧に書かれている。
テレビで深夜とかにやっていたならもっとよい評価があったかも。


では、何が悪いなのか。
簡単に料理屋に例えれば、1800円で最高のフレンチを食べられるとすごいお金と手間をかけて周囲に宣伝しまくったのに、実際に行ってみたら新人の実験中のまかない料理が出てきた。
これがうまければまだ文句はないが、結局は実験中の域を出ず食えるかなという程度のものであったという感じかと。
正直言って裏切りとも言える行為に見た人が黙っているわけはないですわな。
実際の本編のできの悪さ以上のひどい評判になってしまったようですね。
これは最初から「新人の実験メニューです」と言えばよかったのだが、今のジブリにはそれが出来ない域に達してしまってますね。
ゲド戦記の製作にクレジットされている(スタジオジブリ日本テレビ放送網電通・博報堂DYMP・ ディズニー・三菱商事東宝)を見れば一目瞭然。
超大作の名にたがわず数十億のお金がかかっており、すごい収益を稼ぎ出そうとしているのに実験メニューなんて言えるわけがない。
それに日テレ以外の放映局でもCMを流しているからTVからは文句を出させない体制が出来上がっている。
インターネットがなければ負の要素はすべてなかったことに出来ただろうね。
昔はそうだったとはいえ、こんな作品のことを考えない大作主義が残っているとは悲しい限り。
お金がそれだけ入るならそれだけのものを作り上げるのがプロというのは当然であるはずなのに。
不運や予想外の状況などがあったとはいえ十年以上も前から言われていた宮崎駿ジブリからいなくなったらという危機に結局対応しきれなかったツケがでてしまいましたね。


そして最悪と言い放ちたいのはさらにプラスされたことが。
というのはこれほどまでのひどい出来の作品を日本の代表アニメと言わんばかりで海外に出品しようとしているところが一つ。
ひどい状況だというのに宮崎吾郎は「本気を出していない」といったプロ全体を馬鹿にするような発言までしている。
さらには原作者が自身のブログでクレームとも言えるコメントをしているのに、そういったコメントもあるかもというジブリの意見。
しかもYahoo映画の評価で点数を上げるような工作と思われる行為までやっているっぽいし。(ただ、工作については推測の域を出ないが。)
つまり最悪というのはこれからのアニメ業界や映画業界にマイナスの影響を及ぼすような行為に出ているのである。
だからこそ一つの駄作というだけで終わらせてはならない、それこそ最悪の作品と言わざるを得ない状況かと。
ジブリはむしろ好きな方だっただけに、残念でなりませんね。


ということで、薦めるのは原作。
見てない人は映画なんて見ず、1年後にでもテレビで見て笑い飛ばしてあげるとよいでしょう。
ジブリだけでなく、アニメや映画が好きで憂いてるからこそ今回を反省し、ぜひ次回はいいものを期待したいところです。